大体のことはフィクション
昨日から「One Last Kiss」を何度も聞いている。
件の映画はまだ見ていない。
考えなくていいことばり考えてしまう。
問いもはっきりしていないから、
数秒前に何を考えていたのかも分からない。
時間は連続しているはずなのに、
実はそんなの教科書の中だけの話で、
現実はぶつ切りなのではないかと疑ってしまう。
思考の真ん中に自分がいるのか、
他の誰かがいるのかも掴めない。
小さい頃、キャンプ先の森で霧に飲まれた時の恐怖が蘇ってくる。
オーストラリアの海で息継ぎに失敗して
ティファニーブルーの海に体が沈んでいった感覚を思い出してしまう。
あの時友人が腕を力強く引っ張ってくれなかったら、
最期の景色は屈折した青空だった。
抑揚のある豊かな日々をご機嫌に生きられているのに、
内心は恥ずかしいくらいに怯えている。
記憶の底にトラウマでも沈んでいるのだろうか。
透明だから見えないだけ?
実は氷で、勝手に溶けてくれたらいいのに。
癇癪を起こした鬼の子供が暴れそうになるたびに、
大丈夫大丈夫とお腹を撫でるのも飽きてきた。
和解する頃合いなのだろう。
大体のことはフィクション。
事実は書かない。言葉遊び。
ぶつからないように適切な距離をとる。