嫉妬
先日、大学時代の所属ゼミの最終発表会を見に行った。
後輩たちが1年、もしくは2年かけてやってきた研究や作品の報告と、自らの変化を語る姿はとても立派で。
つい半年前まで私もそこにいたはずなのに、空気も間も言葉も交わされる質問もすべてが新鮮に感じた。
今現在生きている日常にはないものが、確かにそこにはあった。
なんと形容すればいいだろうか。
「心地よい」でも「刺激的」でもなく、ただゆらゆらと漂う水面のような、静かだけど深い海の底から小さな音が湧き上がってくるような、
とても大切で、耳を傾けること、考えることにすべての神経を持っていかれるような、そんな感覚だった。
自分に向いてばかりの心は、確かに相手に向いていて。
こう思われたい、とか。
年上だからいいこと言わなきゃ、とか。
嫌われたくない、とか。
いつも蝕まれてばかりの卑しい感情は嘘のように姿を見せなかった。
そんなこと考える必要がないと、場がそっと教えてくれたのかもしれない。
そして何より印象的だったのは、後輩たちの言葉がとても綺麗だったことだ。
言葉遣いではない。言葉がとても澄んでいた。
ある後輩が発表者に「こんなお水みたいに澄んだ発表ができる人がいるんだ、と思った」と言っていて、少し嫉妬した。
あたたかさと正直さがにじみ出るような発表をできる後輩にも、独自の言葉を選んでまっすぐに伝えられる後輩にも。
たった数分、ひとことに「その人自身」がこもっていることに、嫉妬した。
この2人含め、ゼミの後輩には思考のろ過が丁寧な子が何人もいる。
はぁ。ブログ再開の最初の記事が、嫉妬の話になってしまった。
また明日から少しずつ、考えや日々のことを書き留めていきたい。